※NDBは、NTTデータビジネスブレインズの略称です。


どんなプロジェクト?

設計
・日本板硝子社の国内拠点を結ぶ通信回線の速度・安定性向上を目指す
・最適なネットワークの設計
・世界標準の基準に対応した設計

切り替え
・国内約100拠点のユーザーに向けて回線切り替えを通知
・切り替え日程について拠点ごとの日程調整
・既存回線の撤去と新回線の敷設工事

保守・運用
・切り替え後のトラブル対応
・24時間365日体制で回線の安定運用を支える
・次の回線の切り替えに向けた情報収集、技術研究
プロジェクトメンバー

インフラ事業部 NSGインフラ2グループ 担当部長
1998年新卒入社T.M.
ITベンチャーと迷った末、大企業グループならではの環境の良さに惹かれて入社。プロジェクトマネージャーとしてチーム全体の管理を担当しており、仕事は楽しみながら取り組むことがモットー。週末は釣りやマラソンで過ごす。サッカーも好きだが、最近はプレーよりもJリーグ観戦が中心になっている。

インフラ事業部 NSGインフラ2グループ 課長
2000年新卒入社D.Y.
SEを志望して就職活動に臨み、大手企業の子会社ならではの安定性に惹かれて入社を決めた。プロジェクトではメンバーのとりまとめを担当。現状に満足せず、常に新しいこと、未知のことに挑む姿勢を大切にしている。体力維持のため、週末はジムで汗を流す。2ヵ月に一度は家族と小旅行に出かけている。

インフラ事業部 NSGインフラ2グループ ジュニアエキスパート
2019年新卒入社M.O.
文系出身だが、せっかく社会人になるならまったく未知の世界に飛び込んでみたいと考えて入社。プロジェクトではお客様の拠点と作業担当ベンダーの調整を担当。常に小さな目標を見つけながら仕事を頑張るようにしている。外で過ごすのが好きなので、週末は特に予定がなくても街歩きなどを楽しんでいる。

インフラ事業部 NSGインフラ2グループ ジュニアエキスパート
2021年新卒入社R.S.
説明会で文系出身者が多いと聞き、ITのバックグラウンドのない自分でも何とかなるのではと考えて入社。プロジェクトでは回線切り替え作業の日程調整等を担当。お客様と常にWin・Winの関係を保てるよう、心がけている。ロックのコンサートが大好きで、月に2、3回はコンサートを楽しむ。
インタビュー
“つながって当たり前”の巨大回線網を支える
日本板硝子社の国内約100拠点を結ぶネットワークを支えてきたのが、NDBのNSGインフラ2グループです。5年に一度のキャリアとの契約更改のタイミングで、より安定的で自由度の高い環境の実現を目指し、ネットワーク刷新プロジェクトが立ち上がりました。


NDBは、日本板硝子社の国内ネットワークを一手に引き受けているんです。ネットワークというのは、ちゃんとつながっているのが当たり前の存在であり、万が一にもストップしてしまうと仕事や事業が止まってしまいますから、絶対に止めないことが求められます。その責任の重さは常に自覚しています。

今回のネットワークの全面的な刷新も、日本板硝子社のネットワークを全面的に支えてきたNDBだからこそ任せていただけたプロジェクトだと言えますね。私自身は知識も経験も十分ではないと感じていたので不安はありましたが、大きく成長できる絶好の機会だと感じました。分からないことは先輩に質問しながら、まずは要点をつかむように努め、全体を理解できるようにしました。

私は今回、日程調整をサポートするメンバーとしてアサインされました。日本板硝子社にとって不可欠のネットワーク回線に携われる仕事ということで、大きなやりがいを感じました。

技術的には、いわゆるSD-WAN環境(※)となります。従来のルータと既存技術を組み合わせて仮想ネットワークを構成しました。また、これまでは日本国内だけのネットワーク設計で良かったのですが、日本板硝子社の今後の世界展開を視野に入れて、グローバル標準で採用されている拠点間ネットワーク設計に合わせた構成としました。
※SD-WAN環境:拠点間やクラウドといった広域なネットワークをソフトウェアにより一括して制御し、社内ネットワークの運用・管理を効率化するための技術。

品質とコストのバランスも重要でしたね。重要な拠点やデータセンターなどは回線の二重化などで災害等にも万全の備えをしますが、コストとのバランスを考えて過剰な品質にならないように心がけました。
ユーザーに寄り添いつつ、着実に切り替えていく
ネットワークの設計を終えて、いよいよ既存回線から新回線への切り替え作業がスタートしました。対象となるのは全国約100カ所という膨大な数の拠点です。それぞれの環境が異なる中、ユーザー様への負荷を最小限に抑える配慮をしながら、取り組みを進めていきました。


とにかく約100拠点という大規模な切り替えであったことが、大きな壁でした。限られた期間内に、そのすべてで問題なく回線を切り替えなくてはなりませんから。

それぞれの拠点のユーザー、つまり日本板硝子社の社員の皆さんにとっては、ネットワークは目に見えない存在です。その切り替え作業がどういうものかはイメージしづらいので、分かりやすい説明資料を作成して配布したり、「一体何が変わるのか?」「自分たちは何をしたらいいのか?」など、想定質問への回答も用意したりするなど準備を進めました。

とても分かりやすい資料だと思いました。ただ、工場勤務の方はメールを見ていないことも多く、今回のネットワークの切り替えにあたって拠点に電話することもあったので、そこであらためて内容を説明させていただいたこともありました。

実際に拠点で切り替え作業を担当したのはベンダー様で、M.O.さんと私はその日程調整を担当しました。事前に作業の申請書が必要な拠点もあり、調整は簡単ではなかったです。

切り替えの際はどうしてもネットワークが1~2時間ほど止まってしまいますからね。その点での日程の調整も、難しかったのではないですか?

ええ。どの時間帯なら大丈夫か、停止時間の許容範囲はなど、詳しく伺って調整しました。特に製造工場は24時間365日稼働していますから、その中で作業時間を確保することは簡単ではありませんでした。

拠点の環境によっては新回線の敷設、既存回線の撤去が困難な場所もありました。設計がどれだけ優れていても、物理的に回線が引けなければ絵に描いた餅で終わります。そこで回線敷設が困難な拠点では、無線LTEを利用した構成にするなど、既存の枠組にとらわれない柔軟な対応を行いました。

今、D.Y.さんが話してくれたことに象徴されるように、非常に振り幅の大きいプロジェクトだったと思います。技術的に難易度の高いものを使って設計している一方で、現場ではお客様とのコミュニケーションが重要視されます。私たちがやろうとしていることをご理解いただけるように、プロジェクトメンバー10名以上が連携して丁寧な説明などを行いました。
“グローバル”と聞くと少し華やかな印象もあるかもしれませんが、その裏では根気強い、地道な対応が求められます。技術とコミュニケーション、この2つを両立できたことが、プロジェクトの成功につながったのは間違いありません。
グローバル企業をずっと支え続けていく誇り
約100拠点のネットワーク切り替えというプロジェクトは無事に完遂。スムーズに運用フェーズへと移行し、プロジェクトメンバーは日本板硝子社の業務を引き続き支えています。常に寄り添い、近くで支えていくことの手応えが、大きな喜びです。


今回のネットワーク切り替えにより、インターネット接続の際のパフォーマンスは間違いなく向上しており、安定性も飛躍的に高まりました。しかし、ユーザー様ご自身はあまり変化を感じていないでしょう。日本板硝子社の情報システムを統括されている方からは「インフラ系の更新は、ユーザーに変化を感じさせないことが一番の成功」と喜ばれました。

特に問題が発生したという報告も受けておりませんし、大成功でしたね。切り替えたことすら気づかずに使い続けていただいているとしたら、本当に嬉しいです。

今回のプロジェクトでは、調整のために同じご担当者様に何度も連絡することがあり、先方の状況を察することの大切さを学びました。メールした方がいいこともあれば、電話の方が良いこともあります。状況を判断して的確に対応するようにしました。

私は入社して初めての大型プロジェクトでしたから、すべてが勉強でした。一時は自分のキャパシティが一杯になってしまったこともあり、状況に応じて人の手を借りれば良かったと反省しています。この経験は次に活かしていきます。

通信の世界では5年程度で技術トレンドが入れ替わります。次のネットワーク切り替えも、そんなに遠い先のことではありません。サーバやアプリケーション、セキュリティなど幅広い領域の技術を吸収しつつ、次の刷新に備えていきたいと思います。

D.Y.さんが言うように、次も、その次も、私たちがネットワークの刷新を担うことになるでしょう。この点が外部のベンダーとは大きく異なる点で、これからも日本板硝子社と一緒に進んでいくことができます。これほどのグローバル企業のネットワークをずっと支えられることこそ、NDBで働く喜びです。
※社員の所属およびインタビュー内容は、取材当時のものです。
私たちは以前から日本板硝子社の拠点間を結ぶネットワークの維持・管理に携わっています。2022年秋にそのネットワークを刷新するプロジェクトがスタートし、1年がかりで約100拠点での回線切り替えを成功させました。