Webサイトは、あらゆる場所からお客様がやってくる、絶好の営業ツール。
「企業の顔」とも言うべきWebサイトに寄せられるお客様からの期待も大きい。
入社して約5年、単に言われたままの決まりきった仕事は、ほとんどなかった。お客様の要望を汲み取り、より新しく優れた手法を提案する。常にクリエイティブなこの仕事に夢中になっていた。


大学時代は、心理学を専攻。パソコンは初心者も同然、典型的な文系人間だった。
そんな阪根が選んだ就職先はIT会社。なぜそんな選択をしたのか、という問いに迷わず答えた。
「やったことのない仕事をやってみたかった。手に職を持つ、ということに憧れていたんです。
社会人になるからには、プロとして、夢中で何かを創り出してみたい。
この会社ならそんな経験ができると確信したから、迷わず就職を決めました。」
配属先は、Webコンテンツグループ。企業のWebサイトやWebシステムを制作する部署であった。当初想像していたSE(システムエンジニア)とは、一味も二味も違う仕事だった。
1人に任される仕事や責任の重さに、最初は戸惑うこともあった。しかし、仕事を知れば知るほどWebサイトを創る面白さにのめり込んでいった。

入社5年目の春、またとない好機が訪れた。それは、大手メーカーであるK社の広報部門から届いた1通のメール。
「Webサイトリニューアルを検討しており、貴社のサービスについてお話を伺いたい。」
K社はメーカーとして超一流であると同時に、Webサイトにも力を入れている先進的な企業である。
この吉報にチームが湧き立った。その矢先、とんできた上司の一言。
「この仕事、阪根さんにリーダーを任せようと思う。」
一瞬、びっくりした。が、すぐに大きな喜びとなって返ってきた。
大手企業の一大プロジェクト、もし受注できたら、願ってもない大きな財産となる。
見えないプレッシャーと期待感が、阪根の闘志に火をつけた。
K社との初ヒアリング。K社の担当者様は、さっそく要件をきりだした。
「まずは、斬新なサイトデザインで、当社のブランドイメージを高めることが必須です。さらに、Webサイトを利用する方が、一切迷うことのない分かりやすいサイトにしたい。それから、特集ページはこちらで簡単に更新できるようにしたいと思ってるんです。他には・・・」
次々と飛び出てくる様々な要望。これは一筋縄ではいかない-、誰もがそう感じていた。
しかし、熱意は負けていない。
ライバルは、5社以上。いずれも有力なWeb制作会社である。
勝ち残るために、どのような提案ができるのか、K社の期待を超えるために、どのような切り口が必要なのか-。
チームメンバーと、何度も作戦を練り直し、提案を作り上げていった。

2週間後の提案当日。
プレゼンを終えた後、K社からの一言に、思わず笑顔がこぼれた。
「すばらしい提案でした。ありがとうございます。」
結果、プラスアルファの要素を盛り込んだ提案が評価され、見事受注を獲得。
喜びに浸るのもつかの間、2ヵ月後のWebサイトリニューアルに向けて、プロジェクトは本格始動した。リーダーとしての本当の仕事はここからだった。
阪根が直面した1つ目の壁は、厳しいスケジュール管理だった。
やるべきことは山のようにあるが、時間はたったの2ヶ月しかない。1日1日を無駄にはできない。誰がいつまでに何をやるのか、K社といつまでに何を決めていくか。1つの判断が、全員を動かす。
「メンバー全員、複数のプロジェクトをかけ持ちしていて、切羽詰る状況も多々ありました。そんな中で、バランスよく仕事を割振っていく難しさを痛感しましたね。」
2つ目の壁は、アニメーションの企画だった。
今回、企業ブランディング※を高めるために、FLASHによる動画アニメーションを提案した。
「見る人の記憶に残る印象的なアニメーションにしたい。」
それがK社の価値を高め、ゆくゆくは企業成長にまで貢献する可能性を秘めている。だからこそK社からの期待も大きかった。
しかし、斬新なアイディアは早々湧き出てくるものではない。阪根が頭を悩ます中、上司や先輩が何度も声をかけてくれた。
「こんな動きはどう?」「ストーリーは、こんな展開が面白いと思う」「そのアイディア、こうするともっといいね!」
投げてくれるアイディアのボールを受け取り、自分なりに細工して投げ返す。
頼れる上司や先輩の存在が、いかにありがたいかを実感した。
企画に、答えはない。だからこそ難しく、そして面白い。
「空間の表現がとてもいいですね。こんな動きは他社にはないし、じっくり惹きつけられるアニメーションになりそうですね。
出来上がりが楽しみです!」
K社からかけられた言葉に、思わず胸が熱くなった。
(※企業ブランディング:社会における企業の信頼・価値を、戦略的に高める方策のこと。)

約2ヶ月間のプロジェクトが完了し、Webサイトは無事公開日を迎えた。
K社の同業他社と比較しても、どこにもひけをとらない。阪根がこれまで作ってきたサイトの中で、一番の自信作に仕上がった。
「お客様の漠然とした要望をカタチにして、世の中に公開することができる。家でふと自分が手がけたサイトを見たときは、つい嬉しくなってしまいます(笑)。
お客様から感謝の言葉を頂いたとき、これほど嬉しいことはありませんでした。」
入社して約5年、創りだすことの喜びを味わってきた。先輩や仲間に支えられながら、強固なチームワークも築いてきた。
「今度は、自分で企画したものを、自分でデザインできる力を身につけたいと思うんです。」
手に職を持ってみたい-入社を決めたときの憧れを、いつまでも持ち続けている。















